フルブライト奨学金申請は、留学に対する姿勢を問い直す良い機会
はじめに
私は、2年前の11月に職場から留学準備の許可を得て、今年秋からのプログラムに合格することができました。私の経験が留学準備を進めておられる方や、留学するかどうか迷っておられる方の役に立てばと思い、体験談を書かせていただきます。
私の場合、職場に留学制度があることは就職前から知っていたのですが、実際のところ留学に興味はなく、英語力向上を含めて殆ど準備はしていなかったので、実質的にゼロからのスタートとなりました。それでも、複数のプログラムに合格を得られたのは、Reveの優れたカウンセラーに指導を受けられたからこそと思っています。
Reveとの出会い
私がReveのことを知ったのは、昨年4月頃、過去に米国の大学院に留学しておられた方のブログを読んでいた時、Reveがリンク先に張ってあったのを見付けたのが最初です。当時、欧米の大学院への出願作業は極めて個人的な作業になると聞いていた私は、エッセイで他の受験生との差を出すため、個人または小規模で事業を運営しているカウンセラーを探していました。実際に、何名かのカウンセラーと会い、話をしましたが、その中からReveを選んだのは以下の理由に依ります。
① 田中さんの高い職業意識
これが最大の理由です。田中さんは米国に住んでおられるため、電子メールで連絡を取った後、Skypeで無料カウンセリングを受けましたが、(ⅰ)落ち着いた、自信のある話し方、(ⅱ)欧米の大学院出願に関する幅広い知識、(ⅲ)国際情勢全般、とりわけ日本を取り巻く状況に関する洞察力、といったことにすっかり魅了されてしまいました。
② 自分を最も表現できる出願書類の作成を可能にするシステム
大手予備校の場合、一人のカウンセラーが数十名の受講生を抱えることもあると聞きますが、Reveでは、カウンセラーが担当する受講生を少人数に限定しているため、個々の受講生に対して細かくケアをすることが可能です。それにより、世界中で自分にしか書けない、Competitiveなエッセイが書けると思いました。
③ 出願作業をトータルにサポートするチームワーク
Reveでは、田中さんがネタの棚卸や出願校の選定など、出願作業の全般を管理し、ネイティブのカウンセラーがエッセイカウンセリングや文章校正、面接対策などを担当する体制が取られており、小規模でありながら、チームワークがしっかりしている効率的な組織であるという印象を持ちました。
④ 神秘性
Reveは口コミを中心として受講生を集めているため、私の周囲でその存在を知っている人はいませんでした。そういう意味で、秘密結社的なところがあり、そのメンバーになることに一種の高揚感がありました。
出願経過
(1)5月~7月
私は職場による派遣留学生でしたが、外部の奨学金を取得することが強く推奨されていたため、権威ある奨学金として有名なフルブライト奨学金の申請を考えていました。そこで、5月の連休明けに田中さんと最初のカウンセリングを実施するとともに、ネイティブ・カウンセラーから出願作業に関する全般的なレクチャーを受け、準備を始めました。しかし、この時期は仕事が忙しく、またTOEFL対策が佳境を迎えていたため、申請準備を後回しにしていたところ、6月下旬にネイティブ・カウンセラーから進捗状況を確認する電子メールを受け、慌てて作業を始めるという事態になってしまいました。
その後の1カ月間は、まさに修羅場と呼ぶにふさわしい毎日でした。フルブライト奨学金申請は、英語によるエッセイの作成、推薦状の提出など、欧米の大学院出願とほぼ同じプロセスを経る必要がありますが、当然のことながら、私はこのような作業を経験したことがなかったので、「英語で文章を書く⇒カウンセラーから膨大な修正・コメントを受ける⇒英語で文章を書き直す」ということを繰り返しました。こうした過程では、「どうして留学するのか」、「過去の自分と現在の自分はどう、つながっているのか」「留学することによって、自分は将来、どうなりたいのか」といったことについて、細かく詰めいくことになり、精神的にかなり辛かったのは事実ですが、留学に対する姿勢を問い直す良い機会でした。
そうした努力によって書類作成を終え、締切当日に発送手続を完了した時は、まさに感無量で、久々に爽快感を味わうことができました。結果的に、面接試験で不合格となりましたが、書類選考は無事に通過したことで、Reveのカウンセラーを信じてついてゆけば、必ず希望の大学院に合格できると確信するに至りました。
なお、多くの日本人受験生にとってTOEFL等のスコアメイクに注力しなければいけないこの時期、余分な作業をしたくないという考え方もあるかもしれませんが、私は海外で教育を受けたことのない日本人受験生には是非、フルブライト奨学金に挑戦することを勧めます。その理由は、早い段階で欧米の出願スタイルに慣れることで、秋以降の大学院への出願作業が若干、楽になるからです。諸先輩方から伺っていたことではありますが、私も強く共感しています。
(2)8月
この時期は、TOEFLの勉強を進めつつ、出願校の選定を進めました。ここでは、私がウエブサイト等で調査し、関心を持った学校をいくつか挙げ、締切やエッセイ作成の負荷等を勘案しつつ、出願校やスケジュールについて、田中さんと相談していました。
(3)9月~10月
本格的に出願作業を始めた時期です。幸運にも8月に受験したTOEFLで、殆どの大学院で基準点となる100点を超えていたため、テスト対策の比重をGREに移しつつ、エッセイの作成などを進めました。
ここで一つ、田中さんの慧眼に感服したエピソードを紹介したいと思います。実は出願校選定の際、当初は関心を持っていなかったTufts University (Fletcher School)を、しかも、Early Notificationの枠で出願するよう、田中さんに強く勧められました。私としては、もう少しTOEFLの得点を伸ばしたかったことや、GREの対策をしたかったことから、受験するとしても、Normal Applicationの枠にしようと思ったのですが、「早目に出願すれば志望度の高い受験生と認識され、合格しやすい」という田中さんのアドバイスを受け、何とか11月中旬に出願を完了しました。その結果、12月中旬の段階で同校から合格をもらうことができ、その後の出願作業がかなり楽になりました。また、徐々に同校の魅力にも気付き、進学するかどうか、最後まで悩みました。
(4)11月~1月
この時期は、ひたすらエッセイの作成に励みました。学校によって課題に微妙なバリエーションの違いはあるものの、基本的にはそれまでに作成したエッセイをアレンジすることで対応できるものが多く、徐々に作業の速度が速まり、英文を書くのが楽しいと思えるようにもなりました。
なお、11月に世界各国の大学院のAdmission Officeの担当者が来日する機会があり、志望校の一つであったGeorgetown Public Policy Institute(GPPI)の担当者も来るということで、何とか仕事のスケジュールを調整し、参加しました。田中さんからは、「このような機会を出願作業につなげるよう、自分をアピールするための質問を事前に用意しておくように」とのアドバイスをいただいていましたので、ネイティブ・カウンセラーとインタビューの練習もしてから会場に赴きました。当日は、GPPIのブースで旧友と9年ぶりの再会を果たすという偶然もあり、非常に有益な時間を過ごすことができました。
結果
私は計6校に出願し、Georgetown University(GPPI)、Tufts University (Fletcher School)、Columbia University(SIPA)の3校から合格をいただくことができました。前述のとおり、Fletcherについては12月に合格が判明しておりましたが、他校に関しては2月から3月にかけて連絡がありました。その後、自分なりにいろいろ考え、4月にGPPIへの進学を決めました。
おわりに
受験プロセスは確かに大変です。私の場合、特にTOEFLの難関をクリアするのに苦労しました。しかも、幼い息子がいたため、週末は家族のケアもする必要があり、留学準備に費やす時間を豊富に持てるという状況ではありませんでした。家族にも迷惑をかけたと思います。しかし、努力は決して裏切りません。皆様の中にも、出願作業が思うように進まず、苦しい日々を過ごしている方もおられるかと思いますが、毎日少しでも努力を積み重ねていけば、必ずや良い結果が得られますので、諦めずに前に進むようにしてください。
最後に、3月11日に発生した東日本大震災について触れたいと思います。地震発生時、私は職場があるビルの20階にいました。最初のうちは、いつもの地震と同じと高を括っていたのですが、一向に揺れの収まる気配がなく、逆に激しさを増してゆきました。そのとき、私は「ここで死ぬかもしれないな」という感覚を人生で初めて味わいました。幸い、私の周囲では人的・物的被害はなく、しばらくの間、不便な生活を送っただけで済みましたが、被災地では多数の人命が失われ、経済活動の基盤は現在に至るまで損なわれたままです。このような時、私が海外に留学することにどのような意味があるのか、また、将来的に自分が祖国に対して何ができるか、考え続けてゆきたいと思います。